ヨコハマ劇的空間ツアーvol.1 レポート

2007年6月30日

急な坂フィールドワーク「ヨコハマ劇的空間ツアー」は、ヨコハマならではの「劇的空間」を1日がかりで知り尽くす超効率的なツアーです。
今回はレポートアーティストとして、滝之入海さん(nibroll/照明美術家)に同行していただきました。いま横浜には個性的な「劇的空間」が、次々と誕生しています。絶景ウォーターフロントのホール、歴史的建造物をリノベーションしたマルチなアート空間、2009年山下町にオープン予定の県立新ホールなどなど、型にはまらないユニークな創造と発表の空間を、1日がかりで巡りました。
同行していただいたレポートアーティストの率直な感想をお届けします。

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【 今回のレポートアーティスト 】滝之入海(nibroll 照明美術家)

ツアー前のメッセージより
舞台表現において空間(劇場)はとても大きな要素だと思います。空間に合わせた演出考えることで稽古場では思いも浮かばなかったアイディアがでることもあり、ニブロールでも実際、同じ作品の演出を会場に合わせて大幅に変えることで好評を得てきました。また、会場となる場所までの空間も演出の要素です。横浜は、そういった演出において刺激となる空間が多数ある魅力的な街だと思います。

2007年6月27日(水)
10:00- STスポット
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原点というと大袈裟なのかもしれないが、ニブロールに参加するにあたり最初に舞台と触れ合った場所であり、舞台照明というジャンルを基礎から学んでいるわけではない自分にとって、かれこれ9年前のSTスポットでのラング氏の照明ワークショップが自分のスタートになっている。そんな思出深い場所である。当然公演も何度も行っている劇場であり、空間自体はいわゆる小劇場ですが付帯機材もしっかり整備されており、劇場スタッフさんも含め自由な雰囲気が僕は好きです。

10:30- 相鉄本多劇場
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2001年「駐車禁止」という作品でお世話になりました。あれから6年!!変わっていない!!劇場は変わらないものだと思いました。(スタッフの方も含め)歴史ある劇場であり、自然とテンションがあがってくる場所(楽屋!)でした。機材等は決して新しくはありませんが劇場のテクニカルの方が親切でいろいろ面倒をみてくれます。

11:20- BankART 1929 & BankART Studio NYK
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最近ニブロールはパフォーマンスに限らずいろいろな面(映像・衣装・制作)で、一緒にお仕事をさせて頂いています。素晴らしい空間を活かすも殺すも演出しだいだと改めて考えさせられるスペースです。通常の劇場空間ではないぶんイマジネーションが必要ですが、なにかがおこる予感を感じさせるスペースなので個人的には好みな場所です。

12:30- 県立新ホール 神奈川県県民部文化課より説明(ZAIMにて)
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近い未来ニブロールの公演を行うのかなーと考えながら県立新ホールの概要を聞いておりました。東京公演/横浜公演と近いけどイメージがかわることなど制作的なことを考えました。とりあえず完成したら足を運びたいと思います。

13:45- ZAIM
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みなとみらいが横浜のメインスポットと観光客は思うだろう!しかし関内の横浜スタジアムにのびる並木道!!ここが横浜だとくるたびに感じている自分です。歴史がある建造物はただそこに足を運ぶだけでなにかが満たされる。ZAIMもそんな魅力満載の空間でした!そしてなによりスペース使用料金の安さにびっくりいたしました。個人的になにかやろうかなと考えてしまいました。

15:30- 大さん橋ホール
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率直にりっぱな空間でした。
港を望む大窓といい、ワクワクしました。ただ演劇公演/ダンス公演というのではなくなにか違った仕掛けで、ホールを含めた演出のもと観客参加型のものをドーンとつくれたらおもしろいとおもいました。

16:30- 横浜赤レンガ倉庫1号館
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コンペディションで何回かお世話になっており機材が充実しています。また、このスペースで自分が好きなのはエントランスホールが公演後などのちょっとしたパーティーを小粋に演出できるところです。赤レンガというネームもしっかりしているので自分の中ではいまのところ横浜で公演するならここかなと思います。

18:00- のげシャーレ
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今回のツアーで衝撃的(大袈裟ですが)なスペースでした、エントランスまわりをはじめ劇場空間も自由のきくシステムでいい感じなのですが、たぶんあまり知られていないだろう雰囲気を感じました。駅からのアクセスもいいので、急な坂→のげシャーレ的なシステムでの動きが定期的に進んでいったら面白いのではないかと思います。ただ、やはり入口がにぎわい色なので別の入口をつくったほうがいいのではないかと思います。

19:10- 急な坂スタジオ
スタジオとしての面だけではなく、かなり期待している場所です。スペースのつかいかた、企画、立地、ここからなにか素晴らしい発信が行われていくだろうと期待です。

Photo Archive
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無断転載禁止 撮影:急な坂スタジオ