プログラム・ディレクター就任のおしらせ

就任のごあいさつ

2024年4月よりプログラム・ディレクターに就任いたしました呉宮百合香です。

私はこれまで、フリーランスの制作者、ドラマトゥルク、そして評論家・研究者として、舞台芸術の現場に携わってきました。複数の視点から見つめる中で強く実感しているのは、舞台芸術は他者と共に創るものであるということです。

より良い作品づくりを目指して、異なる専門性を持つ者同士が意見を交わし、アイディアを出し合い、フィードバックし合った先に初めて見ることができる景色に魅せられてきました。そしてその過程で多様な思考や言葉、仕事に触れることにより、自身の想像力も価値観も、大きく刺激され揺さぶられてきました。

日々さまざまなアーティストやカンパニーが行き交う急な坂スタジオは、「創る場」であると同時に「新たに出会える場」でもあります。
舞台芸術に関わるすべての人が世代・領域・役割などを超えて交流できる風通しの良い場として、急な坂スタジオを広く開くことを目指してまいります。

また、創作の担い手たちが長く活動を続けていくための環境整備も、重要な使命です。
「まずは坂を上れ。そして一気に下りて『跳べ』！」とは、かつて横浜にぎわい座（のげシャーレ）・STスポット・急な坂スタジオが連携して実施していた「坂あがりスカラシップ」のキャッチコピーですが、さらに先へと進むために必要な基盤を整える場としても急な坂スタジオを活用していただけるよう、引き続き取り組んでまいります。

本年度ひとつめの事業として、まずは6年ぶりとなる新規サポートアーティストの公募を行います。奮ってのご応募をお待ちしております。

今後ともご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

2024年4月1日
急な坂スタジオ プログラム・ディレクター
呉宮 百合香

略歴

呉宮 百合香 （くれみや ゆりか）
1991年東京生まれ。フランス政府給費留学生として渡仏し、パリ第8大学（芸術学）と早稲田大学（文学）で修士号を取得。日本学術振興会特別研究員を経て、早稲田大学文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。ダンスを中心に、国内外の媒体に公演評や論考を執筆するほか、フェスティバルや公演の企画制作、作品のクリエーション等にも多数携わる。また、舞台芸術アーカイヴの構築と活用に関するリサーチも行っている。
近年の参加企画に、新人Hソケリッサ！「路上の身体祭典H！」（制作）、川口隆夫『バラ色ダンス 純粋性愛批判』（ドラマトゥルク）、ヨコハマダンスコレクション2023「ダンコレマガジン」（企画・編集）、笠井叡『檄文』（編集）、LAND FES「TOKYO DANCE AR」など。
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