急な坂スタジオ・新ディレクター就任のおしらせ

2010年4月1日

ディレクター就任のごあいさつ

 初めて急な坂スタジオ(当時は旧老松会館)を下見したときのことを、今でもはっきりと覚えています。強烈な真夏の日差しと、坂の傾斜にぐったりして、さらに結婚式場の名残そのままの空間にびっくりし、正直『こんな場所には通えないだろう』と思ったからです。

 あれから三年半。いまや、毎日多くの方が急な坂スタジオに足を運んでくださっています。稽古はもちろん、打ち合わせやタタキ場の使用、あるいはふらっと遊びに来てくださる方。あの暑い夏の日に訪れた味気ない建物は、自然と多くの人が集まる空間へと、その姿を変えていきました。

 この期間に、たくさんの嬉しい出逢いがありました。野毛山動物園や、野毛の飲食店、そして吉田町や黄金町といった街そのもの、そしてそこにいる皆さま。すべての出逢いに感謝しています。

 2010年4月、急な坂スタジオが少しだけ変わります。設立当初よりディレクターを務めました相馬千秋に変わりまして、わたくし加藤弓奈がディレクターに就任いたします。何卒、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 また、中野成樹さん、仲田恭子さんがレジデントアーティストを卒業し、柴幸男さんが新たに加わります。アーティストそれぞれにとって必要なことや環境、それを手にするタイミングは異なります。そのことも含め、一緒に考えられることができるパートナーとして柴さんをお迎えすることになりました。”レジデントアーティスト”そのものも、ゆるやかに変化していくのかもしれません。

 ちょうど、野毛山公園の桜が満開を迎えようとしています。初めはきついですが、慣れてしまえば心地よい坂道を上ってきてください。皆さまを坂の上でお待ちしております。

平成22年4月1日
急な坂スタジオ ディレクター
加藤弓奈