サポートアーティスト・根本しゅん平インタビュー

サポートアーティストの根本しゅん平さんに作品を作りはじめたきっかけや、ご自身の創作活動についてインタビューさせていただきました。2/15・16に開催する「Steep Slope Showcase vol.2」でも発表する『It captures me, It moves me and It’s gone』についても、お話いを伺いました。

サポートアーティスト・根本しゅん平インタビュー

●最初のキャリアはバレエですよね。日本だけではなく、海外の色々な国を渡り歩いて来た根本さんの、ダンスをはじめたきっかけは?

—6歳の頃、両親のやっているバレエ教室の控え室で、ゲームをしていたら、最近運動不足だから、バレエでもやってみたらといわれ、大人に混じって遊ぶ感じで、見よう見まねでやったのが最初でした。たぶんそれが楽しかったんでしょうね、そのまま続けることになりました。

●根本さんが12月・1月に急な坂スタジオで行ったWSの内容などを拝見して、本当に色々なジャンルのダンスを見たり、自分で試したりされていると感じました。バレエ以外のダンスは海外に行ってから、勉強し始めたんですか?

—12歳の頃から、札幌で開催されていた夏のバレエセミナーに参加した時に、コンテンポラリーのクラスもあって、それを受けたのが最初でした。
その頃やっていたバレエでもそうでしたが、型の見た目の綺麗さ美しさというよりも、もっと感覚的におっと目を引くものを自分は目指していたと思います。

●作品を作りはじめたのは海外に行ってからですか?

—もともと小さい頃から、音楽を流して即興で踊ることはしていたんですが、ちゃんと音楽を選んで振りを作ったのは、ロンドン留学中の時ですね。ちょうどツアーで来ていた、ベジャールバレエの作品を見て影響されたんだと思います。
​踊りでもそうでしたが、創作活動も誰かを真似ることから始めて、次第にその中で、自分なりのこだわりが出てきたかな・・・
​ロンドン留学のあと、デュッセルドルフにあるバレエカンパニーに入団し、ウエストサイド・ストーリーに出演する機会があったんですが、端役だったので、待ち時間が結構長かったので、その待ち時間に即興で踊る自分をビデオに撮ったりしてました。
このときに撮ったものを編集したりしていたのが、映像を使った作品を作るきっかけだったのかと。実際にスピードを変えてみたり、音楽をつけてみたり、テキストを入れてみたり、今と似たようなことをしていたと思います。


根本しゅん平『It captures me, It moves me and It’s gone』

●映像作品では被写体(ダンサー)とカメラマンというシンプルな構造で作品作りをされていますよね。

—何回か外で撮影をしたりしたこともありますが、被写体以外が映像に写り込んでいると情報量が多すぎるように感じるので、ブラックボックスのスタジオの中でダンサーとカメラマンというシンプルな環境の方が良いですね。あと、カメラの動きも振付なので、そこもちゃんと組み込みたいです。
なぜこういう作品を創っているのかと問われたときに、やはり自分は身体・振付というところから外れてしまうと説得力がないし、身体から出てきているものの方が興味があります。

●2/15・16にスタジオ1で発表する「It captures me, It moves me and It’s gone」は、ライブカメラとスクリーンが置かれていて、スクリーンの中で複数の過去の自分が出会い、それを目撃する生身の自分自身がいるという状況がなんとも言えず不思議です。この作品はどんな風に創作されたんですか?

—創作過程はとても地味な作業の繰り返しです(笑)。スクリーンにどんな風に人が写し出されたいか考えながら、どこにカメラをセッティングして、どういうプログラムを走らせるか少しずつ調整しながら作っています。例えば、一つのカメラの位置を5cmずらすと他のカメラにも影響が出てくるので…。じゃあ、また位置をずらして、プログラムを変えて…みたいな本当に地味な調整作業を一人で実験しながら作っています。


根本しゅん平『It captures me, It moves me and It’s gone』(2018年9月神戸)

●インスタレーションを観に来たお客さんには、どんな風に楽しんでほしいですか?

—観に来てくれた人に何かしてほしい・こうして過ごして欲しいということはないです。自分の振付として、この装置・映像プログラムをスタジオの中に置いています。その振付の中を思い思いに自由に過ごして欲しい。その振付である装置の中を動いて写っている自分を見るのもいいし、逆に中で人が動いて写っているのを装置の外側から眺めてみるのも良いと思います。
沢山のカメラを設置してあるので、もし何人か装置の中にいれば、ふと自分の後ろに他人が予期せぬタイミングで映り込む瞬間もありますが、例えるなら自分の家にふと他人が入ってきてしまった、そんな感覚も面白いのかもしれません。

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『It captures me, It moves me and It’s gone』は、2/10よりオープンスタジオ/Exhibition(2/13はトークイベント有り)、2/15・16はインスタレーション&パフォーマンスを急な坂スタジオで行います。
ご都合よろしければ、是非みなさま足をお運びください!

<開催概要>
①オープンスタジオ/Exhibition  2月10日(日)-14日(木)15:00〜20:00
映像インスタレーションを体験していただけます。スタジオ内を自由にお楽しみください。

②トークイベント 2月13日(水)19:00〜21:00
根本しゅん平さんに、どんな風に創作されたのか?、どんな仕組みで動いているのか?などお話いただき、作品の不思議に皆さんと一緒に迫ります。

③インスタレーション&パフォーマンス
2月15日(金)13:00 OPEN
【パフォーマンス】15:00/17:00/19:00/21:00
2月16日(土)12:00 OPEN
【パフォーマンス】13:00/15:00/17:00/19:00

※パフォーマンスの上演時間は各回10分程度です。
※インスタレーションはOPEN時間内でしたらいつでもご入場いただけます。

詳しい情報は「Steep Slope Showcase vol.2」のページをご覧ください。
「Steep Slope Showcase vol.2」