「坂あがり相談室plus」2017年度版  対象者決定のお知らせ

この度は「坂あがり相談室plus」にたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
厳正なる審査を行った結果、対象者として犬飼勝哉さん、立蔵葉子さん、柳生二千翔さんの3名が選出されました。

坂あがり相談室plus対象者決定に寄せて

今回もたくさんのご応募、ありがとうございました。応募書類からは、改めて【創作活動のためだけの時間】の重要性を感じると同時に、「発表していないと不安になる…」という作家の気持ちも痛いほど感じました。

稽古場という創造環境だからこそ出来る支援プログラム、ということを念頭に、3名の方とご一緒することになりました。それぞれ、抱える課題や今後の展望は異なりますが、「この相談室plus がご自身の活動の転機になるのでは?」という点が共通しています。

【公演】という大きな枠を外すことで、これまで考えてこなかったことや、トライしようと思っていたけどなかなか出来なかったことに、少しだけでも挑戦する20日間を過ごしてくださることを願っています。そして、この20日の先に何があるのか、一緒に考えて行きたいと思います。

最後になりましたが、ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございました。またの機会にご一緒出来ることを楽しみにしております。

2017年6月 急な坂スタジオ ディレクター 加藤弓奈

対象者プロフィール

犬飼勝哉(劇作家・演出家)

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1984年、愛知県出身。立命館大学文学部卒業。大学在学中から舞台俳優として活動する。主な出演作に、ニットキャップシアター『ヒラカタ・ノート』(2004 作・演出/ごまのはえ)、烏丸ストロークロック『漂泊の家』シリーズ(2005-10 作・演出/柳沼昭徳)。2007年-2015年、演劇カンパニー「わっしょいハウス」にて、主宰・劇作家・演出家として活動を開始。東京に拠点を移した後、コンスタントに作品を発表する。
「過去と現在、一人語りと対話を融通無碍に行き来する。舞台上の人物がとぼけた表情と何食わぬ調子で語る物語は時間を越え、空間を越え、そしていつしか虚構と現実の境界を越える。少しだけ現実をはみ出した出来事が飄々と語られる様は奇妙にチャーミングだ。」(山﨑健太 SFマガジン2015年8月号)
おもな作品に『チャイム』(2013)、『スポット』(2014)、『木星の運行』(2015)、『東京の家』(2015)。活動休止後は、個人名義「犬飼勝哉」で作品を発表(『サークル』(2016))。

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(左)『スポット』(撮影:島小織)(右)『木星の運行』(撮影:朝岡英輔)

立蔵葉子(俳優・梨茄子主宰)

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岸井戯曲を上演する#1「文(かきことば)」(撮影:宮澤響(blanClass))

俳優・青年団所属。2005年青年団に入団、出演作に「ソウル市民」「サンタクロース会議」「忠臣蔵・OL編」など。五反田団、ミクニヤナイハラプロジェクト、木ノ下歌舞伎、鳥公園など青年団以外のカンパニーにも積極的に出演する。山下残、MOKKなどのダンス作品に出演したり、美術家とパフォーマンス作品を製作するなど、演劇にこだわらず活動の域を広げる。
2013年、個人ユニット《梨茄子》を始動。「みるほうもやるほうもリラックス、な催し『梨はにばんめ、茄子はごばんめ』」を開催し、俳句とツイートを用いたパフォーマンス等を披露。2015年、オルタナティヴパーティー鹿ハウスにて「どこだよミラクルムーン」を上演。
なんだかわからないけど心惹かれるものを設置する(通りすがりにふらっとみれちゃう敷居の低さで)、を活動趣旨とする。

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(左)『ダスト』(撮影:皆藤将)(右)『どこだよミラクルムーン』(撮影:Hiraparr wilson)

柳生二千翔(劇作家・演出家)

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1993 年生まれ。愛媛県松山市出身。平田オリザが主宰する劇団『青年団』演出部に所属。また、演劇ユニット『女の子には内緒』主宰として劇作/演出を担当。何気ない日常の中に潜む物語を構成し、「この街にいるかもしれない」市井の人々を描きながら、分かりえない他者との気づきや繋がりを探している。演劇を主軸に置きつつ、美術家・山城大督や音楽家・蓮沼執太の製作に参加する等、様々な分野をまたぎながらボーダレスに活動中。
2016年「ささやきの彼方」が第4回せんだい短編戯曲賞の大賞を受賞。

『ささやきの彼方』(撮影:朝岡英輔)『手のひらコロニー』(撮影:blanClass)
(左)『ささやきの彼方』(撮影:朝岡英輔)(右)『手のひらコロニー』(撮影:blanClass)

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坂あがり相談室plusの進捗については、今後、急な坂スタジオのHPにてご報告します。
3人の今後の活動に、どうぞご期待ください。