『聞き耳ワールド』山下残
神奈川芸術劇場で行われる新作『庭みたいなもの』を創作中の振付家・山下残さんをゲストに迎え、本牧へお出かけしてきました。
山下残さんとはSTスポットにて発表した『大洪水』(2010)でテクニカルで関わらせてもらい、また作品制作で一緒にできると良いねと話していました。今回の新作『庭みたいなもの』の構想段階に、残さんからリサーチとして「どこか横浜で面白い公園に行こう」という話しになり、フィールドワークに出かける事になりました。その頃はまだ作品のイメージも曖昧で、どんな公園が良いのか悩みましたが、本牧にある普通の公園でよければと、本牧山頂公園に訪れたのは2月の冬でした。もとより公園好きの残さんと、ちょっと山に行くような感じで散策しました。
今回は暑い日でしたが、風が涼しく気持ちの良い日でした。
神奈川芸術劇場で待ち合わせ、バスに乗って本牧へ移動しました。
個人的な意見ですが本牧山頂公園は本当に不思議な公園で、住宅地に囲まれた中にある結構広い公園です。尾根でつながった丘からなる総合公園で、第2期として新たに本牧荒井の丘が整備されました。和田山の丘、見晴らし山、まきばの丘、キャンプのできる広場など公園内を探索し、横浜港に広がる工業地帯を望む本牧荒井の丘を目指しました。
緑ばかりの公園で、のんびりとした散策。そんな中、ちょっとした空間や、景色からアーティストが見つめるものが、少し垣間見えるような散歩になりました。是非、本牧山頂公園へ収録した音源を聞きながら散策してください。そして、公演を観るとまた違ったものが感じられるかもしれませんよ。
本牧山頂公園
『聞き耳ワールド』とは?
「聞き耳プロジェクト」は、美術家の小山田徹が発案した、これまでにない「お散歩型」音声ガイドです。
本プログラムで提供される音声は、ホスト役、ゲスト役の二人が実際に街を“お散歩”したときの会話を録音したもの。参加者は、音声データをダウンロードし、それを聞きながら同じルートを歩いてみることで、“お散歩”のもうひとりの参加者となることができます。肩を並べあい、時に真面目に、時に冗談を交わしながら、街を歩いていく二人の会話にそっと「聞き耳」をたててみる。その体験からは、これまでの「解説型」音声ガイドとは全く異なる街の印象が浮かび上がってくることでしょう。
http://www.zounohana.com/event/kikimimi_world.html
象の鼻テラス
象の鼻パーク内にオープンしたアートスペースを兼ね備えたレストハウス。象の鼻の歴史的背景を舞台に、新たな創造と発信を行う「文化交易」の拠点として、「様々な人や文化が出会い、つながっていく空間」をコンセプトに、定期的に展覧会や、ワークショップ、音楽ライブ、パフォーマンスなど文化プログラムを展開しています。また、テラス内に設置された『象の鼻カフェ』では出会いと語らいの場をより充実させるメニューをご提供しています。
※象の鼻テラスは、横浜市/文化観光局と共同してスパイラル/株式会社ワコールアートセンターが運営を行っています。
http://www.zounohana.com/
山下残(振付家・演出家)
1970年大阪府生まれ。90年代中頃より振付家・演出家として活動を始める。主な作品に、来場者に本を配り、ステージからのカウントに合わせて、観客がページをめくりながら本と舞台を交互に観る「そこに書いてある」、ダンサーの動きを言葉にして声にする「透明人間」、スクリーンに映写される呼吸の記号と俳句のテキストを合わせて身体で見せる「せきをしてもひとり」、揺れる舞台装置の上で踊る「船乗りたち」、動物が演劇をしているようにも見えるダンス作品「動物の演劇」などがある。2004年京都芸術センター舞台芸術賞受賞。日本のみならず、世界各地での公演も行っており、2007年ライブ・アーツ・イン・バンコク(タイ)、2008年クンステン・フェスティバル・デザール(ベルギー)、2009年イスタンブール国際コンテンポラリーダンス・パフォーマンスフェスティバル(トルコ)などにて作品を上演。2010年2月には、ポストメインストリーム・パフォーミング・アーツ・フェスティバル(東京)に出演、同年4月には横浜STスポットにて、『大洪水』を発表。
http://www.zanyamashita.com/
ST spot ~i.e. project 04~
山下残新作公演 『庭みたいなもの』
2011.9.22-25 KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
http://stspot.jp/niwa
http://www.kaat.jp/pf/zan.html