新しい創作支援プログラム『バックヤード』モデルケースのご紹介
2025年10月21日
創作支援プログラム『バックヤード』とは?
アーティストに限らず創作活動に携わる人を対象とし、実験、勉強会、研鑽のための定例稽古に場所を無料で提供します。
急な坂スタッフと相談しながら、成果発表会や、勉強会をオープンでも開催することが可能です。また、バックヤードでの活動は、急な坂スタジオのウェブサイトで都度レポートなどの形で活動報告します。
公演という一つのゴールを目指すのではない稽古場での時間を過ごしてほしいと考えています。現在、モデルケースとして、3つの活動に場所の提供・協力を行なっています。
【モデルケース①】根本しゅん平『創作プロセスにおけるフィードバックとは?』
アーティストにとって、作品を制作し、それを誰かと共有すること自体、非常に大きなエネルギーを要します。さらに作品に対するフィードバックを受けるとなると、別のエネルギーが必要となります。
この取り組みでは、オランダの大学で撮影されたフィードバック・メソッドについてのドキュメンタリー映像を一緒に見て、創作プロセス(ワーク・イン・プログレスやオープン・リハーサル、公演後など)の中で、フィードバックをすることと、受け取ることについて、参加者と共に考えを巡らしています。現在、月1回をめどに実施中。
【モデルケース②】第7世代実験室『シェイクスピア戯曲を活用した定例稽古』
俳優・制作・衣装家など、役割を問わず演劇に関わる人が集い、戯曲・シェイクスピア『ハムレット』(松岡和子訳)を使い、公演を目的とせず技術の研鑽をする定例稽古を行う。公演というゴールを定めずに稽古を行うことで、それぞれが抱える創作現場や演技への技術や疑問を持ち寄り、多角的に演劇を捉え、時間をかけて1つの作品に取り組む。
【モデルケース③】演技実験室◉AREA51 Lab『物理学から考える、新しい演技論についての実験』
このラボでは主に「ニュートン力学」「波動力学」「電磁気学」「熱力学」「相対性理論」「量子力学」などにおける法則や原理を参照した演技メソッドを模索している。
たとえば「F=ma(力=質量×加速度)」を、役柄の“質量(立場や影響力)”と“加速度(行為の変化率)”の積として上演の“力”に読み替えたり、磁場のモデルを応用して人と人の距離感を張力や斥力から考えるなどの実験を行う。また、俳優の状態を「励起(+)」と「失活(-)」の二値でとらえ、感情で立ち上げないシンプルな演技法として簡易的なメソッドにすることなどを試みている。
1〜2年以内に、論文などのテキストにまとめることを目標としている。
現在『バックヤード』対象者募集中!
詳しくは、募集ページをご覧ください。(2025年11月17日(月)締切)