新しい創作支援プログラム『バックヤード』モデルケースのご紹介

創作支援プログラム『バックヤード』とは?

アーティストに限らず創作活動に携わる人を対象とし、実験、勉強会、研鑽のための定例稽古に場所を無料で提供します。
急な坂スタッフと相談しながら、成果発表会や、勉強会をオープンでも開催することが可能です。また、バックヤードでの活動は、急な坂スタジオのウェブサイトで都度レポートなどの形で活動報告します。
公演という一つのゴールを目指すのではない稽古場での時間を過ごしてほしいと考えています。現在、モデルケースとして、3つの活動に場所の提供・協力を行なっています。

【モデルケース①】根本しゅん平『創作プロセスにおけるフィードバックとは?』

アーティストにとって、作品を制作し、それを誰かと共有すること自体、非常に大きなエネルギーを要します。さらに作品に対するフィードバックを受けるとなると、別のエネルギーが必要となります。
この取り組みでは、オランダの大学で撮影されたフィードバック・メソッドについてのドキュメンタリー映像を一緒に見て、創作プロセス(ワーク・イン・プログレスやオープン・リハーサル、公演後など)の中で、フィードバックをすることと、受け取ることについて、参加者と共に考えを巡らしています。現在、月1回をめどに実施中。

根本しゅん平プロフィール|神奈川県出身。日本と英国でダンスを学び、ヨーロッパでダンサーとして活動。その後、講師、振付家、リハーサルディレクターとして活動する。現在は、日本を拠点にフリーランサーとして、次にできることを模索している。その一部として、創作プロセスにおけるアーティストのためのフィードバックを考える場作りに取り組んでいる。また、「糸口と問い」という名のYoutubeチャンネルで、ラジオを不定期に配信している。2018年から2022年までは、急な坂スタジオのサポートアーティストとして活動した。

【モデルケース②】第7世代実験室『シェイクスピア戯曲を活用した定例稽古』

俳優・制作・衣装家など、役割を問わず演劇に関わる人が集い、戯曲・シェイクスピア『ハムレット』(松岡和子訳)を使い、公演を目的とせず技術の研鑽をする定例稽古を行う。公演というゴールを定めずに稽古を行うことで、それぞれが抱える創作現場や演技への技術や疑問を持ち寄り、多角的に演劇を捉え、時間をかけて1つの作品に取り組む。

第7世代実験室プロフィール|さいたまネクスト・シアターの有志メンバーを中心に、2019年発足。リモートドラマ×シェイクスピア『リチャード三世』『ヘンリー六世』の無料連続配信や、無観客上演を行った『たかが世界の終わり』のワンカット配信など実験的な企画に挑戦。2022年以降は、翻訳家・松岡和子氏とともにシェイクスピアの勉強会に多数登壇。団体名は「歴史の縦軸と横軸の中で、自分の在処を常にチェックしていたい」という思いで命名した。

【モデルケース③】演技実験室◉AREA51 Lab『物理学から考える、新しい演技論についての実験』

このラボでは主に「ニュートン力学」「波動力学」「電磁気学」「熱力学」「相対性理論」「量子力学」などにおける法則や原理を参照した演技メソッドを模索している。
たとえば「F=ma(力=質量×加速度)」を、役柄の“質量(立場や影響力)”と“加速度(行為の変化率)”の積として上演の“力”に読み替えたり、磁場のモデルを応用して人と人の距離感を張力や斥力から考えるなどの実験を行う。また、俳優の状態を「励起(+)」と「失活(-)」の二値でとらえ、感情で立ち上げないシンプルな演技法として簡易的なメソッドにすることなどを試みている。
1〜2年以内に、論文などのテキストにまとめることを目標としている。

演技実験室◉AREA51 Labプロフィール|エリア51の神保治暉による、演技論・演出論・観客論を横断する演劇理論「上演力学」を実験的に検証するラボ。公募で集まった俳優たちとともに、独自の演技メソッドの構築を目指している。物理学の法則や原理を参照し、演技における「人と人のあいだで生成される目に見えない力」の生成と伝達、その構造を観察・分析することで、上演を「力学的生成の場」として立ち上げる方法を探っている。物理法則は文化的背景に左右されない、もっとも普遍的で開かれた言語である。上演力学は、演技を数値化したり再現性を高めることではなく、毎回異なる上演という可変の場において、シンプルに、楽しく、そして弾力のある演技を目指している。

現在『バックヤード』対象者募集中!

詳しくは、募集ページをご覧ください。(2025年11月17日(月)締切)

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