月別アーカイブ: 2008年6月

急な坂ゼミナール第二期『技術ゼミ』ゲストプロフィール

技術ゼミ

アートの「つくり手」や「つなぎ手」を対象とした少人数の学びの場
イメージを具体化するってどういうこと、「技術ゼミ」に手がかりが!

授業概要:
このゼミナールでは舞台芸術を中心にアートにおける発想と技術の関係について捉え直し、その空間設計及び、技術設計についてアーティストと共に考える人材を育成します。
アートや舞台表現における空間設計はアーティストや演出家の発想をいかに具体化するかということに留まらず、その表現自体にも影響を与え、作品制作において重要な役割を果たすと考えます。ことに最近では、表現の多様化により、空間、美術設計においても専門的な知識とともに、クロスジャンルな考え方と応用技術を必要とする作品が増えています。
どのように作品制作の主体(美術家、演出家など)と関わりその表象をリアライズしていくのか。まずは、概論的なところから入り、具体的な劇場や、美術展で行われていることを考察していきます。
職能としての舞台美術やテクニカルワークではなく、メディアやジャンルを越えて作品創造に関わり、その表現を具体化できる人材を育成したいと考えます。
(※この企画は実践的、直接的な技術修得が目的ではありませんが、個別の企画に対する技術的質問、疑問の相談は可能です。)

日時:
8/20-10/1 毎週水曜 19:30~22:00 

会場:急な坂スタジオおよびSTスポット他

ゲストプロフィール

第1回 8月20日(水)

イントロダクション

「舞台芸術における「技術」と技術監督の役割」
技術ゼミ長 眞野純
技術ゼミ長:眞野純((財)神奈川芸術文化財団・神奈川芸術劇場開設準備室長)
1948年生まれ。1987年文化庁芸術家在外研修生として、ロンドン・ロイヤルオペラハウスにて舞台美術・技術を学ぶ。舞台監督、技術監督として、蜷川幸雄、串田和美、野村萬斎など多くの日本を代表する演出家の作品に関わる。1997年~2007年、世田谷パブリックシアター技術監督。08年4月より神奈川芸術文化財団・神奈川芸術劇場開設準備室長。

第2回 8月27日(水)

演習1

「サイトスペシフィックアートにおけるキュレータの役割」
近藤俊郎
近藤俊郎
1969年東京生まれ。早大法学部卒業後、凸版印刷勤務。1996年よりニューヨーク市立大クイーンズカレッジ大学大学院にて社会と美術の関わりを研究。2001年よりアートフロントギャラリー勤務。2003、2006年の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」にて海外作家のアート・プロジェクトのコーディネートを担当したほか、パブリックアートの製作・監理も数多く関わる。現在は代官山のアートショップ、アートフロントグラフィックスも担当。

第3回 9月3日(水)

自主ゼミ

技術ゼミ演習についての疑問と、それぞれの今抱えている「技術的」問題について話す場を設けます。今後の演習についての事前説明など。

第4回 9月10日(水)

演習2

「空間認識アイディアを形にするということ」
中野成樹
(中野成樹+フランケンズ主宰、演出家)
1973年生まれ。幼少時代から翻訳劇を一筋に横浜を中心に活動を続ける。フランケンシュタイナー(1998-2001)解散後、2003より中野成樹+フランケンズとして再始動。それを期に、作品制作のコンセプトが“翻訳劇のらしさを遊ぶこと“から、“翻訳劇の中から日常的な説得力をひきずりだすこと”に移行している。また自身の上演作品における舞台美術の発想や活用についても定評がある。

細川浩伸(急な坂アトリエ担当)

第5回 9月17日(水)

演習3

「屋外劇における、空間演出について」
マリアナ・ティランテ
(舞台美術家)
1976年生まれ。エルネスト・デラ・カルコバ美術学校(Escuela Superior de Bellas Artes “Ernesto de la Carcova”)で、舞台美術と衣裳デザインを学ぶ。現在、ダンスカンパニー”クラップ”(Krapp)のテクニカルスタッフとして世界ツアーに参加している他、第5回及び第6回ブエノスアイレス演劇祭のテクニカルディレクターを務めた。2008年10月に横浜吉田町にてマリアーノ・ペンソッティ作品「ラ・マレア 横浜」を公演予定。

第6回 9月24日(水)

演習4

「舞台技術のクリエイテイビティー」
神村恵
神村恵
(神村恵カンパニー主宰、振付家、ダンサー)
幼少よりバレエを学ぶ。2000年、国際基督教大学教養学部人文化学科卒業。同年より、オランダのロッテルダムダンスアカデミーにて1年間学ぶ。伊藤キム、大橋可也などの作品に出演。04年よりソロ作品を発表し始め、06年9月より、神村恵カンパニーとしての活動も開始。07年2月、冬のサミット2006に参加し、こまばアゴラ劇場にて「山脈」を上演。08年2月、BankART1929 Yokohamaにて、「どん底」を発表。「その動きは本当に必要なのか」という疑いをもとに、カンパニー、ソロともに創作活動を行っている。また、自身の方法論にもとづくワークショップも不定期に開催。

出田郷
出田郷
(美術家)
1978年生まれ。北海道教育大学で彫刻を学んだ後、現代芸術センターCCA北九州のリサーチプログラムに参加。その後オランダに渡り、ライクスアカデミー(アムステルダム)、Foundation B.a.d(ロッテルダム)のレジデンスプログラムに参加した後、2006年、茨城県守谷市のアーティスト・イン・レジデンスプログラム、アーカスプロジェクトへの参加を機に帰国。現在は茨城県取手市を拠点に活動を行っている。
 光の反射や影を効果的に用い、シンプルながら意表をつく仕掛けにより、知覚や身体感覚に直接訴えかけるようなインスタレーションを制作している。

第7回 10月1日(水)

演習5

「これからの舞台芸術を支える人に必要なこと」
講師:眞野純×スペシャルゲスト(決定次第お知らせします。)

番外編・実践(After work)

参加者の中から特に希望される方には実践編として急な坂スタジオ及びSTスポットが主催する事業のテクニカルワークに参加して頂きたいと考えています。
●ラ・マレア(野外劇)@吉田町
●仲田恭子(空間アート協会ひかりによる演劇)@野毛シャーレの舞台美術
●神村恵カンパニー新作公演(ダンス)@STスポット